決闘者になって……もう8ヶ月経ったのマジ? 【遊戯王マスターデュエル】

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目次

  • ヤバいデッキはあらかた食ったけど……
  • ソリティアと妨害と捲り札にまみれた世界
  • 使ってきたデッキの変遷
  • 遊戯王の何が「楽しい」のか
  • まとめと展望

ヤバいデッキはあらかた食ったけど……

こんなボロい相剣ストラクチャーデッキがいちばんうめえ。

遊戯王ってのは一体何なんだろうな。

おでん

ソリティアと妨害と捲り札にまみれた世界

マスターデュエルをしばらく触っていると、「面白そうなコンボやデッキテーマについての情報を拾い、それに基づいてデッキを組む」ような生活を送ることになります。それだけ「遊戯王についての知識」が増えたにも関わらず、どんなデッキにもほぼ確実に入るカードがあります。それが、

これらの券種 (※)。最大で3+3+2+1+3=12枚デッキに入るわけですが、大半のデッキは12枚しっかり詰めていると表現すれば、今の遊戯王の環境がいかにヤバいか理解できるでしょうか。

※……マスターデュエルの更新履歴にて、「カード券種・加工別」といった表記があった。つまり、例えば遊戯王カードのカード名が10種類あれば、「10券種」と数えるのだろうと推測される。


こうなってしまう理由は、現代遊戯王の性質に由来します。「40枚デッキに12枚詰めたカード」は、初手5枚に1枚持っている確率が37%、2枚持っている確率が33%、1枚も持ってない確率が15%ほど。つまり、それだけこれらの札を引き込んでおかないと、後攻になった際に相手の先攻展開を抑えきれないわけです。

なにせ、Tier表に載らないマイナーテーマですら数妨害、真面目にデッキを組むと5妨害はザラ。そういった布陣を組まれると挽回は厳しいので、「先攻1ターン目に上記の手札誘発を発動させて出鼻をくじき、後攻で挽回する」が一般的な戦術となっています。逆に先攻は先攻で、「相手の手札誘発を数回は耐え、ある程度の盤面を築く」ようにデッキを組むもの。特に《灰流うらら》《墓穴の指名者》《抹殺の指名者》は、先攻でも使う機会があるので「常に入れ得」と言えます。

そういった世界観における決闘 (デュエル) は、しばしば 「先攻ゲー」 と例えられます。妨害数の塩梅が良く、数ターンで終わらないような泥仕合になることもたまにありますが、そうでない場合は先手か後手のワンサイドゲームになりがち。特に『遊戯王マスターデュエル』のようなBO1だと、「特定の相手へのメタ札」を積む余裕がないので、「後攻を取ることを考慮しないデッキ」や「常に後手を取ることを狙うデッキ」が横行します。それでもコイントスで勝てばええねん、的な発想ですね。


思えば冒頭の相剣ストラクは、その手のカードがどれも入ってないという奇跡の出来。そのぶん《ブラック・ホール》などの捲り札が入っているだけマシですが、遊戯王に慣れれば慣れるほど、「なぜ手札誘発が入ってないんだ」感が強まってしまうというね。もちろん、手札誘発は「投げどころ」があり、「初心者向き」とは言いがたいものの……。

こうした「手札誘発を入れないわけにはいかない」という性質が、デッキ構築に後々まで悪影響を残していくことになります。

使ってきたデッキの変遷

ざっと挙げてみると、こんな感じになるでしょうか。

  • 天威相剣
  • 斬機
  • イビルツインスプライト
  • クシャトリラ
  • 気炎型相剣
  • ヴァルモニカ
  • 混合型デッキ

まず 【天威相剣】 ですが、冒頭で挙げた「相剣ストラク」を自然に拡張したものです。頑張れば先攻3妨害ぐらい立つ、典型的な2枚初動・ミッドレンジ型のデッキです。展開が短めで回しやすい一方、「現代遊戯王だとこれぐらい乗り越えられかねない」といった点が致命的で、もっと手を入れないとファンデッキの域を出ない印象です。

次に 【斬機】 。こちらは今でも現役で、先攻でぶっ放せば5妨害は普通に出るエゲつなさがあります。後攻でも手数で妨害を乗り越えられる (こともある) 程度に強力で、手持ちの中では最強クラスの強さです。ただ、《増殖するG》と《原始生命態ニビル》に弱い他、展開が長すぎて、マスターデュエルにおける制限時間 (1プレイヤー300秒) に引っかかりかねないのが辛いところ。

【イビルツインスプライト】 は、タクティカルトライデッキでも取り上げられるレベルに「遊戯王の顔」してるデッキタイプです。前述した「相剣ストラク」と違い、手札誘発をガッツリ搭載しているため、現代遊戯王で「後手なので何もできない」になる率は低いでしょう。【斬機】ほど展開は長くない他、マスターデュエルだと 《スプライト・エルフ》とかいうインチキ が使えるため、余計に堅牢な盤面を築けたりします。

昔は苦手だったところ、使ってみると手に馴染んだのが 【クシャトリラ】 。遊戯王OCGと違って規制が緩いだけあり、デッキ単体としても「出張パーツ (数枚混ぜて展開補助や誘発受けとして使うカードのこと)」としてもなかなかの回しやすさ。一方で、相手の妨害や捲り札への耐性が低いので、「墓地メタや永続罠を張りまくる」「別途妨害を立てる」「別途用意した制圧札を投げつける」などの対策をしないとランクマで走りにくいのも事実。

ファンデッキとしては先攻盤面が堅すぎ、ガチデッキとしては手札誘発に弱いのが独特な 【ヴァルモニカ】 も結構すき。《天魔の聲選姫》の登場演出などを見るに分かりやすく「美少女テーマ」している一方、《No.41 泥睡魔獣バグースカ》を超えられないデッキは即サレンダーするようなエゲつなさも備えているのが面白いところ。

上記に挙げたデッキをそのまま組むと、前述した「手札誘発」や「捲り札」に展開を阻まれやすいので、【クシャトリラヴァルモニカ】【斬機ヴァルモニカ】【カリユガ搭載クシャトリラ】【勇者クシャトリラ】 など、複数の勝ち筋を盛り込んだデッキを組むことが多いです。純構築で勝てるならそれが望ましいところ、展開を伸ばしたり妨害を追加したりするために、複数のテーマを混ぜるのが普通な遊戯王では、「どのテーマを混ぜると強そうか」を考えるのも面白いものです。

……まあぶっちゃけ 【斬機】【斬機初動サイバースリンク】みたいなもの ですし、【イビルツインスプライト】は相性良すぎて別の相方をパッと思いつきにくいもの。手持ちのカードが増えると相方の可能性も広がるのは、遊戯王OCGと同じですね。

遊戯王の何が「楽しい」のか

前述したように遊戯王は「先攻ゲー」ですが、それでも即座に試合が終わらないこともままあるもの。そういった状況では、「どのような判断をすればどう試合が転がるか」をちゃんと計算する必要があります。展開の順番を工夫してワザと妨害を撃たせたり、ドローソースを発動して解決策を探したり。そういう沼試合に、遊戯王の面白さが詰まっている気がします。

デッキタイプで行くと、【斬機】のように最初からデッキリソースを放出しまくる「展開型」デッキは強力なところ、それらをなぁなぁで流して長期戦を狙う「ミッドレンジ」デッキも楽しいもの。罠デッキなどガチガチの「コントロール」デッキは好きになれませんでしたが、「先攻展開で継続的に妨害を構えること」は一種の「コントロール」なのかもしれません。

忘れてはいけないのはデッキ構築要素。手札誘発、捲り札、ドローソース、罠カード、メインテーマに出張パーツ……。それらのパーツの中で特にエキサイティングなのは、展開の華となる「デッキテーマ」の存在。時折壊れ性能の「デッキテーマ」が登場して環境が荒れる遊戯王ですが、それはそれとしてギミックや性能が面白い「デッキテーマ」がポンポン出てくるのは貴重な個性だと思います。

また、出張パーツの世界もなかなかに奥深いもの。メインとするテーマを通すための出張パーツ、メインテーマの展開を更に強化するための出張パーツ、メインテーマの弱点を補うための出張パーツ……。それらの組み合わせによっては思わぬシナジーを生んだりするのは、遊戯王の醍醐味と言えるでしょう。組んだデッキの中で出張性能が高いのは、【斬機】【クシャトリラ】【勇者】辺り。今後マスターデュエルに実装されるだろう【デモンスミス】も、出張パーツとしての利便性に期待が高まりますね。

まとめと展望

プレイ1ヶ月記事でも挙げたように、遊戯王は「先攻展開の強さ」と「手札誘発の強さ」と「泥仕合の面白さ」と「デッキテーマの豊富さ」が持ち味だと感じるところ。対戦ゲームとして考えると強そうなデッキテーマを回すのが正解なところ、「展開さえ通れば勝てる」みたいな面白テーマも多いゲームなので、趣味と実益を兼ねた泳ぎ方をしてみたいところです。

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